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授乳の時にしんどい、不安な気持ちになる―不快性射乳反射(D-MER)とは?体験談も!

 

不快性射乳反射(D-MER)という言葉をご存知でしょうか。

授乳中に、しんどい気持ちになったり、不安になったり、つらくてたまらなくなったり…。

一般的に母と子が触れ合う幸せな時間とされる授乳の時間が、不快性射乳反射という症状があるために、苦痛な時間になってしまうお母さんたちがいます。

あまり広く知られていないこの症状について、調べてみました。

日本語で検索したところ、ヒットした件数が少なかったので、英語のWikipediaから引用します。

Dysphoric milk ejection reflex (D-MER) is an anomaly of the milk release mechanism in lactating women. A lactating woman who has D-MER experiences a brief dysphoria just prior to the milk ejection reflex.

引用:Wikipedia

 

Google先生に聞くと、次のような意味とのこと。

 

日本語訳

不快性射乳反射(D-MER)とは、授乳中の女性における、射乳メカニズムの異常である。D-MERを持つ授乳中の女性は、射乳反射の直前に短い不快感を経験する。

 

…もし間違いがあったらごめんなさい!

わたしも、産後すぐからこの不快性射乳反射に悩まされました。

母乳育児をしている友達に話しても、誰一人として共感してもらえなかったのですが…
ネットでは同じように悩むお母さんは少なくない様子だったので、わたしの体験を書いてみます。

 

私の不快性射乳反射(D-MER)の体験

まずはわたしが体験した不快性射乳反射(D-MER)の症状、持続期間、対処法などについてお話します。

 

私の不快性射乳反射の症状

まず、わたしが体験した不快性射乳反射の症状について。

最初はほとんど母乳が出ていなかったからかもしれませんが、出産後すぐの数回の授乳の際には不快性射乳反射には気づきませんでした。

ですが、入院二日目くらいからはっきりと症状が現れ始めました。

授乳のため、赤ちゃんに乳首をくわえさせた瞬間、文字通りズドーン、と地の底に叩き落されるような感覚に陥ったのです。

産院の部屋の中が急に薄暗くなったような気分でした。

 

▼例えばこんな気持ちでした。

  • 良く知っている道を歩いていたつもりだったのに、いつのまにか迷ってしまっていて、知らない町で一人ぽつんと取り残されてしまったような感じ
  • 冬の夕方、肌寒くて薄暗い部屋の中で、幼稚園児の自分が一人でTVの前に座ってアニメをじっと見ているような感じ

 

とにかく、寂しいような切ないような、心細いような感情が溢れ出してきて、どうにもつらくてしんどくてたまらなくなってしまったのです。

 

いますぐ窓を開けて飛び降りてしまいたいような鬱っぽい感情でした。

 

授乳の最初の数分間だけ我慢すれば不快感は消えてなくなったので、いつも通りに過ごせたのですが、授乳の時間が近づくにつれ「またあのしんどい気持ちになるのか…」と憂鬱になりました。

赤ちゃんが生まれて、幸せの象徴のような授乳の時間を全く楽しめず、むしろ嫌な気持ちになってしまうことにショックを受けてしまいました。

 

不快性射乳反射はいつまで続いた?

幸いなことに、わたしはこの不快性射乳反射が起こるのは毎回というわけではありませんでした。

最初は2回に1回くらい。
それが段々3回に1回、1日に1回…という風に減っていき、症状も軽くなっていきました。

最初はミルクを足していたのですが、3カ月ほどでこの不快性射乳反射は全く出なくなりました。ちょうどその頃から完母に移行しました。

 

わたしの不快性射乳反射の対処法

不快性射乳反射にわたしがどのように対処したかについて書いていきます。

最初に不快性射乳反射が起こったときは、この現象について知らなかったのでとてもビックリしました。

ですが、「授乳中はホルモンが出るらしい」というざっくりとした知識はあったので、「あまりにも突然しんどい気持ちになった。これはおかしい。ホルモンのしわざに違いない」と冷静に考えることができました。

「とにかく授乳が終わればホルモンのバランスも元通りになり、このしんどさも和らぐはず。」と言い聞かせて乗り切りました。

そのあと、色々調べて「不快性射乳反射」という症状について知りました。

対策については、あまり調べても出てこなかったので自己流ですが…、わたしは次のように対策しました。

 

1.TVやスマホを見る

授乳中は気を紛らわせるために、TVやスマホを用意してから授乳を始めていました。

授乳中は赤ちゃんと目を合わせて…なんて言われてましたけど、新生児はこっち見てないですしね…。

わたしも、生まれたての頃は目を合わせないと!と思って一生懸命のぞき込んでいたのですが、目が合いだしたのは随分先のことでした。笑

ポイント

しんどい気持ちを紛らわせるのを最優先にしましょう!

 

 

2.しんどければ途中で授乳をやめてミルクを多めに足す

最初の頃は産院で指示された通りの量のミルクを与えていたのですが、産後3週目くらいになると慣れてきて、母乳少な目でミルク多め…など、自分で調整できるようになりました。

なので、しんどかったら無理せずすぐに母乳はストップ!
ミルクを多めにして助けてもらいました。

今は液体ミルクもあるので、授乳を始めて「やっぱしんどい、だめだ!」となったときでもすぐに用意できて便利ですよね。

不快性射乳反射で悩んでいる方は、念のため用意しておくといいでしょう。(災害時にも役立ちますしね!)

 

 

3.歌を歌ったり、「しんどい!」と声に出す

不快性射乳反射でしんどい気持ちになったとき、声を出すのは割と効果的でした。

歌ったり、「あーしんどいよー、つらいー!」とか言ったり。

夫がいれば、夫に「授乳してると落ち込む」と愚痴ったりとか。

「あーあー」と頭を抱えたくなるような気持ちになるときもあったので、声を出しながら頭を抱えていることもありました。

 

4.「反射だから大丈夫」とホルモンについて考える

これはホルモンのせいだから大丈夫。落ち込むようなことがあったわけでもないのにこんな気持ちになるなんて…。ホルモンって何なんだろう?不思議だなぁ…。」
と、人体とホルモンの不思議に思いを馳せていると、いつの間にか授乳が始まってから数分が経過していて落ち着いていました…。

 

みの
自分の感情は自分のものだと思っていたんですが、ホルモンにこんなにも支配されるものなんですね。本当に不思議です…。

 

不快性射乳反射の原因

まだはっきりと解明されていない不快性射乳反射の原因について調べてみました。

 

不快性射乳反射における「ホルモン」とは?

ホルモン、ホルモンというけれど、具体的に何が起こっているのか?

引き続き、Wikipediaから引用してみていきます。

The mechanism is not clear. In a mother with D-MER, dopamine may fall inappropriately with milk release, causing the negative feelings.

引用:Wikipedia

 

日本語訳

メカニズムは明らかになっていない。D-MERを持つ母親では、射乳時にドーパミンが不適切に減少し、ネガティブな感情を引き起こす可能性がある。

 

はっきりしたメカニズムはわからないものの、授乳に関わるホルモン:ドーパミン に関連するという予測はされているようです。

続きは要約すると次のようなかんじ。

 

授乳に関連するホルモンにはドーパミン、オキシトシン、プロラクチンがある。
この中でドーパミンは、射乳直後に出るプロラクチン(母乳の持続的な分泌を担う)のはたらきを阻害するため、射乳時に一時的に減少するが、D-MERを持つ母親ではドーパミンが射乳時に何らかの異常な形で減少するため、ネガティブな感情を引き起こす。

 

ポイント

ドーパミンは、「心地よさ」に関連するホルモンとされているので、これが授乳時に異常に減ることによって、ネガティブな感情が起きると考えられているのですね。

 

まだ十分な研究がなされていない!

次の文章は、D-MER.orgというサイトから引っ張ってきたものです。

As recently as February 2008 D-MER did not even have a name. It was rarely discussed among mothers and between lactation professionals. It was unknown completely as a physiological condition, and occasionally brought up as a psychological problem.

 

日本語訳

2008年の2月まで、D-MERには名前さえありませんでした。母親や、母乳の専門家の間でも、ほとんど語られることはありませんでした。生理学的な問題としてはまったく知られておらず、時折精神的な問題として取り上げられていました。

 

太古の昔から人類は赤ちゃんに母乳をあげてきたはずなのに、この症状について語られ始めたのがおよそここ10年くらいの間だとはびっくりです。

私も、「自分がおかしいんじゃないか?授乳が不快だなんて母親失格ではないか?」と不安になり、なんとなくあまりおおっぴらに相談できなかったのですが、これだけ知られていなかったとしたら、それも無理はないかもしれません。

2008年に「D-MER」の名前がつけられる以前は、「精神的な問題」として考えられていたのですね。

 

メモ

また、Wikipediaにも、「2010年以降、メディアやSNS、本にも取り上げられるようになってきたが、2014年の時点でD-MERが射乳時のドーパミンの減少によって引き起こされるという仮説を立証する研究は行われていない」とありました。

もしかしたら、産後うつにもつながるかもしれないこの生理的な症状、もっと研究がすすむと良いですよね。

 

不快性射乳反射(D-MER)についてのまとめ

不快性射乳反射(D-MER)については経験していないお母さんも多く、病院の助産師さんや看護師さんにも知られていないケースもあるようです。

不快性射乳反射を経験したお母さんの中には、この症状を周囲に共感してもらえないことや、授乳に不快感を覚えることで、自分は母親に向いていないのではないかと悩んでしまう方もいます。

 

みの
わたしも「不快性射乳反射」という答えに行きついたあとも、一生懸命母乳を飲もうとしている生まれたての我が子を見て、授乳の時に嫌な気持ちになってしまうことに、とても申し訳なくつらい気持ちになりました…。

 

でも、不快性射乳反射はホルモンバランスのせいですし、時間が経つごとに症状は軽減するケースが多いので、安心してください!

ミルクにしたってかまわないですしね。

 

みの
不快性射乳反射について、今後もっと広く知られるようになり、研究がすすんで対処法が確立されると良いなぁ。

 

▼その後2人目を出産したあとの不快性射乳反射の症状についてまとめました!

d-mer
不快性射乳反射(D-MER)、2人目はどうなった?

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  • この記事を書いた人

みの

関西在住の30代の2児ママ(2018年息子・2021年娘)。趣味は旅行、読書。独身時代はバックパックを背負って海外一人旅に行ってました。主に子育てのことについてブログを書いています。

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