「エルサゲート」についてご存じですか?
YouTubeなどでお子さんの好きなアニメやキャラクターの動画を流していると、もしかすると突然出会うかもしれません。
エルサゲートはお子さんの心に大きなショックを与える可能性があります。
お子さんに動画を見せるときには、親として必ずエルサゲートの危険性について注意しておかなければいけません。
この記事では、エルサゲートについての説明と防ぐ方法について書いています。
また、エルサゲートに出会ってしまったときの対処方法を親目線で説明していますので、参考にしてみてください。
エルサゲートとは
エルサゲートとは、簡単に説明すると「子どもにとって不適切な動画」です。
不気味だったり、暴力的だったり、とつぜん怖い画像が流れたり…。とにかく、親が子どもには見せたくないと思うようなたぐいの動画です。
なぜそんな動画を子どもが見てしまうのかというと、エルサゲートは有名キャラクターや人気のアニメの動画を装って紛れ込んでいるから。
もちろん公式の動画ではありません。
▼エルサゲートの特徴
- 有名なキャラクターが不適切な行動をしている
- クレイアニメや人形を使っていたり、荒いドット絵や稚拙なCGだったりする
- サムネイルは普通の子ども向けの動画を装っている
信頼している大好きなキャラクターがひどいことをしていたり、不適切な行動をしている動画を見てしまうと、子どもには強い恐怖心や不安が植え付けられます。
エルサゲートの目的は一体なに?
このような動画を投稿する人の目的はまだはっきりしていません。ですが、以下のような理由が考えられます。
お金儲け
人気キャラクターやアニメを使えば、簡単にお金を稼ぐことができます。
大人は非公式の稚拙な動画だと気づくと見ませんが、子どもは自分の好きなキャラクター名を検索して、出てきた動画を片っ端から見たりします。
そのため、このような悪質なクリエイターは子どもを狙うのです。
小学生くらいになると「○○って動画、面白いから見てみて!」と友達をこわがらせるためにふざけてエルサゲートのたぐいの動画をすすめ合ったりするようです。学校でちょっとした流行になって、再生回数が増えるんでしょうね…。
ただの悪意
もっと悪いことに、ただ子どもに不安や恐怖を与えたり、困惑している親子を想像して楽しんでいる人がいるということも考えられます。
ただのお金儲けなら、不愉快な動画でなくてもよいですもんね…。
子どもに向けてこんなに悪意を持って手の込んだ動画を作って投稿する人がいるという、その事実に背筋が寒くなります。
エルサゲートを防ぐための対策は?
エルサゲートに子どもが出会わないように、大人がきちんと環境を整えておく必要があります。対策についてお話しますね。
YouTube Kidsを使う
YouTube Kidsは子ども向けの動画が集められたアプリです。自動フィルタ、人間による審査、保護者からのフィードバックを組み合わせてより高い安全性を確保できるよう、動画は日々チェックされています。
YouTube Kidsでは検索機能をオフにできるので、子どもが勝手に動画を検索して見てしまう…というリスクも防げます。
信頼できるYouTubeチャンネルを登録する
信頼できるYouTubeチャンネルを登録しておき、検索からではなく登録チャンネルから動画を再生するようにしましょう。
キャラクター名などであいまいな検索をかけると、エルサゲートに出会う可能性が上がってしまいます。
自動再生をオフにする
一つの動画が終わって関連動画が次々に再生されてしまうと、意図せずエルサゲートが再生されてしまう可能性があります。
自動再生はオフにしておきましょう。ちょっと面倒ですが、子どもの心を守るためには必要な手間です。
タブレットやスマホではなくTV画面で動画を見る
もしもエルサゲートに出会ってしまったとき、親がすぐに気づけるような状況を作っておく必要があります。
タブレットやスマホだと子どもが一人で抱え込んで見てしまうため、「おかしいな?」ということに気づきにくいです。
できればTV画面にYouTubeを映して視聴するようにして、すぐに異常に気づけるようにしておきましょう。
▼ちなみに、YouTube側の対策はこんな感じです。
- 2017年には800万本の動画を削除したうえ、670万本の動画に削除のフラグを付けた
- 機械がフラグを付けた動画のうち80%近くが1度も再生されないうちに削除された
- 機械のフラグをチェックし動画を削除するために1万人を雇った
YouTubeもさまざまな対策を講じていますが、悪意のある動画がチェックをすり抜ける可能性もあります。それだけに頼らず、エルサゲートの危険性を親がきちんと知って、みずから対策を取っていく必要があります。
もしエルサゲートを見てしまったときはどうする?
色々と対策をしていても、巧妙に入り込んでいたエルサゲートを子どもが見てしまうことがあるかもしれません。その時にどう対応すべきかについて説明します。
まずは落ち着いて対応する
大好きなキャラクターが不適切な行動をしているところを見るのは子どもにとってはとてもショックなことです。もしかしたら、怯えて泣いてしまったり、強く動揺してしまうかもしれません。
また、同様に親にとっても「こんなこわい動画を子どもが見てしまった…!」という事実はショックです。
ですが、まずは深呼吸して落ち着いて対応しましょう。
親が動揺してしまうと子どもはもっと不安になりますし、このことについて話したくないと思ってしまうかもしれません。
どんな気持ちになったか、どう感じているかを尋ねる
エルサゲートにはいろいろなパターンの動画がありますが、どんな気持ちになったか?どう感じているか?を子ども自身に尋ね、気持ちを整理させましょう。
こわい・気持ち悪い・不気味・なんとなく不愉快だ…など。
本人がうまく表現できないようなら「なんだか気味が悪かったね」と子どもの気持ちを言語化しましょう。
お父さん・お母さんに気持ちを分かってもらえたという事実だけで子どもは安心できます。
point
ただし、エルサゲートの中にはかなり刺激の強いものがあります。
いつまでも動揺がおさまらなかったり、元気がなかったりする場合はカウンセラーなどの専門家に相談することを考えましょう。
動画の内容は不適切であることをはっきり伝える
エルサゲートには不適切な表現が含まれています。
それは「普通の事ではない、間違っている」とはっきり示しましょう。
子どもは人との関わり方や愛情表現についていろいろなものを吸収しながら学んでいる途中。周りからの影響をとても受けやすいです。
暴力などが決して愛情表現ではないことや、人と人との関係を築くために大切なことは何かなどについて話し合いましょう。
ネットリテラシーについて話す
なぜYouTubeでエルサゲートのような動画に出会ってしまったのか、動画の内容はどういう意味なのか、子どもが好奇心を持つのはふつうのことです。
ですが、YouTubeの動画には信頼できないものも含まれているということを伝えましょう。
昔はそれでもあまり弊害はありませんでしたが、今はYouTubeやブログなどで誰でも情報を発信できます。
子どもを怖がらせるためや、お金儲けのために、よくない情報を流す人もいるということ。情報をうのみにしないよう、ネットリテラシーについて話しましょう。
point
お子さんが小さくても、もう一人でスマホやタブレットを触って動画を見ることができるなら、ネットリテラシーについて話すのに早すぎることはありません。
エルサゲートから子どもの心を守ろう!
エルサゲートについて子どものいる友人に話したところ、知らなかった…と全員が言っていました。
様々な対策はとられていますが、いたちごっこな部分もあります。
こういう問題があるんだということを親がしっかり認識して、防衛策を取っていくことがとても大事です。