赤ちゃん忘れ症候群

雑記

赤ちゃん忘れ症候群(Forgotten Baby Syndrome)とは?怖い脳のバグ。予防策も!

気温が高くなってくると時々つらいニュースを目にします。

「車内に数時間放置された乳幼児が死亡」…。

コメント欄にはこんな意見が並びます。

  • 子供の存在を忘れるなんてありえない
  • 信じられない、自分なら絶対こんなことしない
  • やっぱり父親のせいじゃん。母親なら子供のことを一瞬たりとも忘れない
  • 親に障害があったんじゃない?

中には「わざとでは?」なんて、見るのも悲しいコメントも…。

ですが、愛する子どもを車内に忘れてしまうと言うのは絶対にありえないことではないのです!

赤ちゃん忘れ症候群(forgotten baby syndrome/FBS)と言う名前もついています。

この、赤ちゃん忘れ症候群によって悲しい事故が起きてしまうのです。

そんな事は絶対起こり得ない!ではなく

人間の脳は完璧じゃないことを理解して、できる限りの対策をとることが

このような事故を起こさないための大切なポイントになるはずです。

赤ちゃん忘れ症候群(Forgotten Baby Syndrome)とは

赤ちゃん忘れ症候群とは、その名のとおり赤ちゃんや幼児を置き忘れてしまうこと。

心理学や脳科学の観点からこの研究をしているデビッド・ダイアモンド博士が名付けました。

赤ちゃんや幼児を置き忘れてしまった場所が車の中だった場合、重大な死亡事故につながります。

Washington Postの記事によると、アメリカで過去15年間に起きた682件のこういった死亡事故のうち、54%が子どもをうっかり車内に忘れてしまった赤ちゃん忘れ症候群によるものだったそう。

つまり、15年間で約370名の子どもが赤ちゃん忘れ症候群により命を落としているのです。

(そのほか、28%は子ども自身が車内に入り込み鍵をかけてしまったなど。17%は故意に子どもを車内に置き去りにしたことによる)

多くの人がありえないと考えるこの赤ちゃん忘れ症候群ですが、原因は何なのでしょうか?

実は誰にでも起こりえることなのです。

赤ちゃん忘れ症候群(Forgotten Baby Syndrome)の原因

赤ちゃん忘れ症候群の原因は、脳にあります。

脳には 未来の記憶システム と 習慣の記憶システム があります

未来の記憶システム

これから先のプランや展望を記憶しておくシステム

ex.これから子どもを保育園に連れて行くなど

習慣の記憶システム

半ば自動的に習慣的な行動を記憶して行えるシステム

ex.家から職場まで考えずにたどり着くことができるなど

車の中に子供を忘れてしまった親たちは、その日はストレスが多かったり考え事をしていたり睡眠不足だったりした…と言うそう。

こういう時に、未来の記憶システムより、習慣の記憶システムが優位に働いてしまうことがあるんです。

ストレスフルでも、睡眠不足でも、いつも通り動けるのは、習慣の記憶システムが働いているから。

だけど、そういう余裕のない日に習慣ではない行為(今日だけ子どもを保育園に送っていく、仕事帰りにスーパーに寄る、など)があったとしたら…

キャパがいっぱいいっぱいな脳は、とりあえずいつも通りの一日を過ごせるように習慣の記憶システムを優先して、次のようなことが起こります

  • 仕事の帰り道で、今日だけスーパーに寄らなきゃいけないことを忘れる
  • 出勤の途中に、今日だけ子どもを保育園に送っていく必要があることを忘れる

スーパーと我が子を同列で語るなんて!と言われそうですが、「予定外のプラン」という意味では脳にとってはあまり変わらないんですよね。

(もちろん、赤ちゃんの存在を忘れるよりスーパーに寄るのを忘れる方がずっと頻繁に起こってるでしょう。そんなこと誰も報道しないだけで。心当たりありすぎ…。笑)

赤ちゃん忘れ症候群を起こす親に性別学歴は関係あるのか

赤ちゃん忘れ症候群を起こすのは「馬鹿な親」「愛情が薄い親」「無責任な父親」「障害がある親」なんて酷いコメントを見ることがありますが、本当にそうでしょうか

海外では15年もの不妊治療の末に授かった愛娘を自身の赤ちゃん忘れ症候群で失い、慟哭する母親の事例を読みましたが、それはほんの一部でしょう。

実際、赤ちゃん忘れ症候群で子どもを亡くした親は他の親と同様、わが子を愛している親だそう。

このような事故を起こした親の職業についても調べたデータがありますが、裁判官、弁護士、歯科医師など一般的には難関とされる職業に就いている親たちもいました。

父親ばかりこういう話を聞く!という意見もありますが、それって

  • ふだん子どもの送迎を担当しているのは母親が多く、イレギュラーな送迎をするのが父親である割合が高い
  • 男性の方が仕事を持っている割合が高く、仕事のことで頭がいっぱいになりがち

というだけではないでしょうか。

えっ、保育園に送っていく?荷物とか場所とかよく分からないし忙しいから無理だわ!っていう父親だってまだまだいますよね。

そんな中、子どもの送迎を担当するお父さんは、きっと家族のために日々がんばっていたのでしょう。

「母親ならそんなことしない」というのはあまりに短絡的で母親というものを神格化しすぎです。

ちょっと自分の話になって申し訳ないのですが、私の母は赤ちゃんの私をベビーカーに乗せてスーパーへ行き、袋詰めをしている間にすっかり忘れてベビーカーを置いたまま1人で家に帰ったことがあるそうです。

帰った瞬間気づいて慌てて戻ったそうなのですが…母親でもこういう事はあり得るのです。

ちなみに母はおとぼけキャラではありません。

旧帝大理系卒で研究者として役職付きで働いており、その頭の切れっぷりや、テキパキと仕事も家事も完璧にこなす姿には娘ながら舌を巻くばかり…そんな女性です。

そんな母が赤ちゃん忘れ症候群になったのは、3ヶ月の産休が終わって復帰したばかりの頃でした。

仕事終わりに私を迎えに行ってスーパーに寄った時、出産前にしていたのと同じようにそのまま帰ってしまったそう。

仕事のことで頭がいっぱいだった…と。この類の事故でよく聞く話ですよね。

母親だから、しっかりしてるからなんて何のあてにもならないのです。

習慣ってほんとうに強いし、脳は簡単にミスするものなのです。

みの
誘拐されなくてよかった~。笑

赤ちゃん忘れ症候群(Forgotten Baby Syndrome)の対策

命に関わる赤ちゃん忘れ症候群ですが、発生を100%防ぐ事は難しいです。

脳のバグみたいなものですもんね…。

だからこそ、特にイレギュラーな行動をする日には対策をとるべきです。

みの
大切な我が子を守るために、できる限りの対策をしましょう!

夫婦で赤ちゃん忘れ症候群について共有して危機感を持つ

なによりもまず最初の対策は、「自分には起こらない」「ダメな親だからこんなことが起こった」という思い込みを捨てることだ、と赤ちゃん忘れ症候群を研究しているダイアモンド博士は言っています。

赤ちゃん忘れ症候群は決して自分たちに無関係ではないこと、次のようなときに赤ちゃん忘れ症候群が起こりやすいということを夫婦(祖父母など他の人が送迎することもあるならそこでも!)で共有しておきましょう。

  • 毎日のスケジュールに組み込まれたイレギュラーな送迎やお出かけ
  • ストレスが多いとき、考え事があるとき、睡眠不足のとき

子どもを無事送って行ったかふだん送迎している人が連絡する

今日だけふだんと違う人が子どもを送迎したなら、いつも子どもを送って行っている人がLINEなどで「無事に送れた?」などと一報を入れるのも良い対策です。

ただ、怖いことに脳って「子どもを送り届けたはず」という勘違いをしていることもあるんですって…。

みの
月に2、3回送迎を担当しているとかならあり得るのかも。

「泣いてなかった?」「○○を先生に渡してくれた?」など、具体的なエピソードを聞くことも効果的です。

「今日はこんな様子で登園したよ」と記憶がよりはっきりするはずです。

降りる際に後部座席のドアを開ける習慣をつける

赤ちゃん忘れ症候群がさいきん増えた理由のひとつに、チャイルドシートが義務化され後部座席に装着することが推奨されるようになったということがあります。

それまでは助手席に乗せる人も多く、子どもが目に入っていたんですね。

習慣ってこわいと同時に便利なものでもあるので、降りる前に後部座席のドアを開けて確認する、を習慣にしたいですね。

スマホや財布などを後部座席に置いておく

スマホや財布など、自分が必ず車を降りるときに持っていくものを後部座席の子どものそばに置いておくようにしましょう。

みの
これはかなり効果的だと思う!「これがないと仕事ができない」っていうものを置いておこう!

子どもの荷物を前の座席に置いておく

逆に、子どもの荷物は助手席に置いておくと目に入りやすく、子どもを送って行くことを忘れにくくなります。

到着する頃にスマホのアラームをかけておく

車に乗る前に、到着予定時刻にスマホのアラームをかけておきましょう。

出勤するなら、会社に到着する時間くらいに(○○を送っていく!)とラベルをつけてスマホが鳴るようにしておくといいでしょう。

赤ちゃん忘れ症候群(Forgotten Baby Syndrome)まとめ

子どもを車内に置き去りにしてそのまま…と言うニュースはショッキングなため、記憶に残りやすいですよね。

ですが、きっとその裏には亡くなりまではしなかったけれど、うっかり子どもが乗っているのを忘れて早いうちに思い出して大事にならなかった、冬場だから無事だったというような似たようなケースが何百何千とあるはずです。

その何百何千の中に、悲しいことに気づくまで時間がかかってしまった、または夏場ですぐに車内の気温が上がってしまったケースがあって、死亡事故につながるのです。

赤ちゃんや小さな子どもを車内に忘れて死亡させてしまったという報道では、親を散々叩くコメントもたくさん見られます。

ありえない、信じられない、自分なら絶対そんなことしない!

思考停止したくなる気持ちも、親としてとてもよくわかります。

だってもし自分の子に同じことが起こったら、と思うと悲しすぎるもん…。

もう考えたくない。

こういうときに親を叩くのって「自分には関係ないことであって欲しい」と言う願望の表れなんですよね。

最低なバカ親だからそんなことが起こったんだ。自分はちゃんとしてるからこんな地獄のようなことは起こらないはずだ。だから安心して大丈夫だ、と。

だけど、最終的にもし万が一のことがあったときに、子どもが助かる確率が高くなるのは、こういうことが起こるかもしれないと自分のこととして考え、対策していた場合です。

信じられないけれど、どれだけ子どものことが大切でも、脳のバグでこういうことが起きるのかもしれない。どうしたら防げるんだろう?

と、「赤ちゃん忘れ症候群/forgotten baby syndrome」と検索して、この記事を最後まで読んでくださった方は、きっと一緒に考えてくださると思っています。

みの
こんな悲しいニュースを一件でも減らしたいと思ってちょっと熱が入っちゃいました。上からでほんとにごめんなさい…!私の書いた記事の持つ力なんて小さいかもしれないけれど、赤ちゃん忘れ症候群とその対策がどうか広まりますように。
  • この記事を書いた人

みの

関西在住の30代の2児ママ(2018年息子・2021年娘)。趣味は旅行、読書。独身時代はバックパックを背負って海外一人旅に行ってました。主に子育てのことについてブログを書いています。

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